『父親が子育てにかかわる事を「楽しみ」と「権利」の両面から』
「パパ権」とは、お父さんが、子育てに積極的にかかわることを「権利」としてとらえて、お父さん側の意識も、社会的な環境も、前向きにつくっていこうという立場でつくられた造語です。
地域での子育てに積極的にお父さんをかかわらせている岸さん、物書きで昼の時間を使いやすいことからPTAなどに積極的にかかわる川端さんの経験を紹介しながら、「パパ権」を発揮することの魅力をわかりやすく伝えてくれる本でした。
そして、汐見さんが、お父さんの側の意識の問題としてだけではなく、長時間労働などの社会的背景が「パパ権」=権利として掲げる事の意義を、これまたわかりやすく解説しています。
今、子育てに男性が積極的にかかわることの「違和感」は薄れてきていると思います。
わたしも休みの日には、ベビーカーを押して散歩に行ったりしてきましたが、それ自体が変な目で見られることはほとんどありません。
もちろん、女性がそうしているときには言われないであろう「がんばってますね」の(もちろん善意の)言葉に、男性の育児参加はまだまだと感じるわけですが。
先日、男性の育児休暇の取得率が、0.56%⇒0.50%に低下したという報道がありました。
200人に1人ですからねぇ。
これは、男性の意識だけの問題とは言いがたいです。
自分が子どもを持って一番感じるのは、子育ては人生の最大の楽しみの一つだということ。
子どもを産み、育てることに躊躇する最大の理由は経済的なものだという調査もありますから、社会全体が子育てにもっともっと積極的になれる環境に変わっていく必要があると思います。
「パパ権」はぜひ定着させたいことばです。